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トピックス 2019.11.5 TOKYO CRAFT ROOMに新しいアイテム「Hand」が仲間入り 第3弾コラボレーションはCKR×さしものかぐたかはし

今年2月に開業したHAMACHO HOTELの一室で、ホテルのコンセプトの一つでもある「手しごと」発信していく「TOKYO CRAFT ROOM」。国内外のデザイナーと日本各地のものづくりの作り手によって生み出されるこの部屋のためのアイテムが順次発表され、加わっていく特別な客室ですが、このたび第3弾となる新しいアイテムが完成し、お披露目のレセプションとつくり手によるギャラリートークが開催されました。

今回新たに披露されたテーブル、ベンチ、スツール
今回新たに披露されたテーブル、ベンチ、スツール

今回の作品は、スウェーデンの建築家・デザイナー集団の「Claesson Koivisto Rune(以下CKR)」と広島で木を組み合わせた"指物"の技術を活かし家具づくりを行う「さしものかぐたかはし」のコラボレーションによるテーブルとベンチ、スツール。

---「さしものかぐ」とは
「指物(さしもの)」は木と木を組み合わせて、茶道具やパッケージを作る職人のこと。その技術を使い、家具をつくる活動として、高橋さんが「さしものかぐ」と命名。日々の暮らしの道具に落とし込んだ作品づくりを広島を拠点に行っています。

このプロジェクトはまず、2組を東京で引き合わせ、高橋さんがどんな技術を持ち、CKRがどんなデザインをするかということを理解し合うことから始まりました。その後CKRメンバーはTOKYO CRAFT ROOMの客室に宿泊。この客室にふさわしい家具のイメージを膨らませてデザインを作り、広島にある高橋さんの工房を訪ね本格的に作品づくりを進めました。

作品づくりのストーリーはこちらからご覧ください

高橋さん(左端)とCKRメンバー。
高橋さん(左端)とCKRメンバー。

完成したばかりのテーブルを囲んでのギャラリートークは、まずTOKYO CRAFT ROOMのクリエイティブ・ディレクターの柳原照弘さんがプロジェクトのコンセプトを紹介し、リサーチ・アンド・ディベロップメントを担当する熊野亘さんがモデレーターとしてCKRと高橋さんに質問を投げかけながら展開していきます。

---Q.初対面では、お互いにどんな印象を受けましたか?
CKR:言葉が通じなくても、すぐにお互い分かり合えました。最初のミーティングで共通のフィーリングがあり、いいものができそうだという感覚があったんです。技術やディテールを見ると、高橋さんのものづくりへの愛を感じました。

高橋さん:実は海外とのコラボレーションは初めての経験。英語が話せなくても、写真見せたりしながら話すとものづくりや技術、そして木のことを理解してくれました。もともと自分も北欧の家具が大好きだったこともあり、やりがいがある、ワクワクする出会いでした。

こだわり抜いた、天板と脚のジョイント部分。今回の作品には天板を含めフラットな面がなく、全て丸みをおびたデザイン。CKRチームは高橋さんの高い技術力を理解した上で、それを最大限生かして今までにないものを作ろうと難易度の高いデザインを提案した結果、お互いにとってチャレンジングなプロジェクトとなったそう。
こだわり抜いた、天板と脚のジョイント部分。今回の作品には天板を含めフラットな面がなく、全て丸みをおびたデザイン。CKRチームは高橋さんの高い技術力を理解した上で、それを最大限生かして今までにないものを作ろうと難易度の高いデザインを提案した結果、お互いにとってチャレンジングなプロジェクトとなったそう。

---Q.このデザインはどのようなインスピレーションから生まれたのでしょうか?
CKR:昔からある北欧の家具の形をモダンに変化させました。でも今日見ていただいた日本人のお客様からは、「とても日本らしい形に見える」とも言われ驚きました。このフラットな面と2本脚という造形は、色々な文化に根付いているものだと気づき面白く感じました。

難易度の高いジョイントの部分は、高橋さんにとってもチャレンジになるポイントを作りたかったということと、ディテールに関して目のいくポイントを作りたいと思ったからです。ディテールがきっちりと作られることで、使う人が大切に使う。そのことが、見たり触れたりすることで伝わるいうことも大事だと思っています。

作品づくりの工程や、こだわったポイントをお話しする高橋さん。
作品づくりの工程や、こだわったポイントをお話しする高橋さん。

Q. 今回のプロジェクトに取り組んでみての感想を教えてください。
CKR:25年前に初めて日本に来てから、毎回訪れるたびに日本の文化やクラフトに感銘を受けてきました。なので、日本の工芸とのコラボレーションは一つの夢でもありました!今までおよそ1000個以上のプロジェクトを手がけてきましたが、こんなに技術の高い職人との仕事は初めてで、自分達としてもベストな仕事ができたと感じています。皆さんとの友情とこの貴重な機会に心から感謝したいです!

高橋さん:昔は木を単なる「材料」としてしか見ていませんでしたが、ずっと木の仕事をしていると、自然の生命力や息づかいを感じるようになってきました。この作品はカンナで削っただけで、表面はあえて磨いていません。カンナの作業はすごく大変ですが、木との対話を一番感じられる楽しい仕事。CKRの皆さんと共にこの客室の空間のことを想って作った作品を、実際に今日この場で発表できて、そして皆さんに喜んでもらえてとても嬉しいです。

作品を囲みながら、終始リラックスムードでのギャラリートーク
作品を囲みながら、終始リラックスムードでのギャラリートーク
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トーク終了後はHAMACHO HOTEL内のチョコレートショップnel CRAFT CHOCOLATE TOKYOでチョコレートとドリンクを振る舞い。
トーク終了後はHAMACHO HOTEL内のチョコレートショップnel CRAFT CHOCOLATE TOKYOでチョコレートとドリンクを振る舞い。

作品は、どなたでもTOKYO CRAFT TOOMをご予約いただいて実際にお使いいただけるほか、気に入ったら購入も可能です。ご予約の埋まっていない日には、見学も受け付けていますので、ぜひお気軽に一度足を運び実際に作品に手を触れてみてください。

今回の作品は、第1弾のDe Intuïtiefabriek(オランダ)とSOMA(岐阜県)によるキャビネット「Ranma」、第2弾のIngegerd Råman(スウェーデン)と香蘭社(佐賀県)によるカップ「Mano’S」に続く第3弾。今後も第4弾、第5弾とプロジェクトは続いていきます。今後のTOKYO CRAFT ROOMにもぜひご注目ください。