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ブログ 2022.7.5 次の時代に向けたイノベーションを – 「学び・繋がり・集う・共創する」場づくり

既存の枠を飛び越えた新たな発想で革新的な価値を生み出し、社会を変革させて行く「イノベーション」。社会環境がますます複雑化していく中で、組織の壁を越えて知識や技術、経営資源を組み合わせて活用することで新しい価値を創造する「オープンイノベーション」への注目が高まっています。

そんな環境を背景に立ち上がった、多様な組織や人の架け橋となって、新たな事業の共創や地域課題の解決をめざすオープンイノベーション施設のプロジェクトに、UDSで関わらせていただきましたのでご紹介します。

これから迎える時代の社会課題解決に向けて

今年の3月、NTT西日本さんが、企業・スタートアップ・自治体・大学等が「学び・繋がり・集う・共創する」場をめざして、大阪・京橋の新社屋隣接地にオープンイノベーション施設QUINTBRIDGEをオープンされました。

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固定電話、ポケベル、携帯電話、インターネットと、通信の進化の歴史とともに、新たな技術での私たちの暮らしの通信を支えてくれているNTT。その西日本事業を管轄するNTT西日本さんは、環境変化がもたらす様々な課題に対して先頭に立ってICTの力で解決をしていく存在として、地域社会と連携した社会課題の解決を目指していらっしゃいます。

そんなNTT西日本さんがこれからの未来を見据えたビジョンのもと、地域課題・業界課題などの解決をさらに強化するために新たに開設されたのが、UDSとしても関わらせていただいたこのオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE」でした。

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「オープンイノベーション」という言葉を聞くとトレンドワード的な印象を持つ方いるかもしれませんが、今回のNTT西日本さんの取り組みはこれまで集積されてきた事実がベースにありました。
それは社外の企業に出向する、海外事業所で働く、といった組織外での経験が大きな成長につながっていることを、経営陣はじめ社内の方が自身の実感として、また仲間を見ている中で強く感じられてきたということです。そうした実感を背景に、できるだけ多くの社員が外の世界で他流試合をしながら学び成長できる機会を作り、社会の課題に対して先頭に立って解決をしていく力をより高めていきたいと考えておられました。
- 企画・プロジェクトマネジメント担当 UDS 事業企画部システムデザインユニット 三浦宗晃

社内外の人との交流や共創を通して、これまで気づかないうちに出来上がってしまっていた固定観念が取り払われたり、新たな気づきを得る瞬間があるはず。そうした経験を経て、新たな発想で取り組んでいく人を増やしてしていくことが、これからの時代の業界・地域課題の解決、未来社会の創造には必要だ、とNTT西日本さんではお考えでした。

そうしたお考えを背景に、社内の人だけでなく外部企業、ベンチャー、自治体、大学、そして地域の人など多様な人が集まり、日々活動をともにしながら学び合ったり、プロジェクトを立ち上げたりできる共創環境を新本社に隣接した場所につくる、というQUINTBRIDGEの構想を進めておられました。

そして施設実現のための視察、リサーチの中で、UDSが運営しているコワーキングLEAGUEに視察にいらしていただきました。LEAGUEでは利用者同士を繋げるコーディネイターが常駐し、イベントなども通してビジネスにつながる入居者間のコミュニティ形成を支援することに力を入れています。新宿三丁目のINBOUND LEAGUEではインバウンドというテーマを持たせた施設で、地域の商店街とつながりながらまちに開いた場として運営してきています。こうした取り組みに興味を持っていただきました。(三浦)

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そのほかにもUDSが地域とのつながりを重視しながらコワーキング、教育施設、ホテル、シェアオフィスなど各運営施設で行なってきた取り組みが、今回の施設で実装したいポイントに重なる部分も多かったことがきっかけになって、施設の立ち上げに関わらせていただくことになりました。

基本構想の実現に向けて

住む、働く、遊ぶ、学ぶ....。UDSでは多岐にわたる施設を企画から設計、運営まで自社で担うスタイルで作り上げてきました。それらを通して積み重ねてきた、ユーザと運営、双方の視点やノウハウに自負はありますが、今回のような施設はUDSとしては未経験のカテゴリの施設です。

そこで、よりよい提案をさせていただくため、
- 世界中の働く場を調査・研究されていて働き方とオフィス空間を総合的にプロデュースされているコクヨさん
- 対話を大切にしながら、個人住宅からコワーキングスペース、公共空間まで幅広くデザインされているオンデザインさん
- 新しい知との出会いをもたらす「本」にまつわる場を数多く手がけられているYOURS BOOK STORE (現:ひらく)さん
とタッグを組んで、施設を形にして行く上での企画・設計・運営提案をさせていただきました。

外部スペシャリストとのチームアップはUDSが昔から実践してその力を感じ、大切にしているポイントです。今回は私がぜひ一度一緒にお仕事したいなと思っていたところにお声がけさせていただきました。(三浦)

そうして、各社の力を集めて実施した提案に共感していただき、プロジェクトがスタートしました。

具体的にはNTT西日本さんが策定されていた基本構想を実現するため、プロジェクト担当者や想定されるユーザーへインタビューやワークショップを行って、与件の整理や、利用者のニーズの洗い出し、潜在的ニーズの深堀を行いました。
そこから得た点を企画設計に反映させ、実際のオペレーションにも落とし込んで提案、という動きをしていきました。

さらに運営については社内外の人たちが「学び・繋がり・集う・共創する」場となるために必要なソフトコンテンツ(イベント・ワークショップなど)の提案もさせていただき、開業後も継続的にサポートをさせていただいています
- 企画・プロジェクトマネジメント・運営サポート担当 UDS 事業企画部 システムデザインユニット 三上 浩紀

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実際の実装・運営までサポートできる強みを生かして

そうして、無事今年の3月24日から本格運用が開始されました。開業から約3ヶ月でのべ15,000名近くの方の利用があり、6月末時点での会員数は4,000名を超えていたそうです。

画像:NTT西日本プレスリリースより
画像:NTT西日本プレスリリースより

前例や経験がない初めてのプロジェクトの場合は、ウェブや書籍で情報を調べたり、類似施設を視察・ヒアリングしたりして進めていくことが多いかと思いますが、見学したり、話を聞いたりしても、どうしても本当の課題感をつかむことが難しい部分があると思います。今回のチームは実際に働く場をはじめとした各種施設を運営して、様々な課題に対応してきているメンバーでしたので、その点で特にお役に立てたのではないかな、と思っています。

私たちUDSは、自分たちで運営まで行う形で手がけることで、お客さまの声や現場で起こっていることを企画、設計へフィードバックできる循環を構築してきました。その結果として、ユーザ目線と運営目線を重ね合わせた視点を、空間と設備オペレーションに落とし込むノウハウを蓄積できています。その強みを生かして、新しい領域にチャレンジしたい方に対して、企画や設計の提案をするだけではなく実際の実装までサポートできるパートナーとしての活動にも力を入れていきたいと考えています。(三浦)

UDSではこれまでもコーポラティブハウス、キッザニア、ギャラリー付きホテル、居住型教育施設など、「これまでなかったけどあったらいいな」と思うものにチャレンジし、形にしてきました。これからも、私たち自身も組織内だけではなく組織外のみなさんチームアップすることで生まれる「オープンイノベーション」で、より良い未来につながる新しい仕組みを生み出していきたいです。(三上)

以上、NTT西日本さんのオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE」プロジェクトのご紹介でした。

QUINTBRIDGE、個人会員は無料で、会員登録いただければどなたでも1-2階のコワーキングスペースの利用とイベントへの参加ができるそうです。会員でなくても参加いただけるイベントなどもオンライン含め続々開催されていますので、ぜひHPをチェックしてみてください。