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ブログ 2017.8.4 【UDSビジネスデザインスクール 】LOCAL BRANDING LABO – 地域の魅力を発掘・編集する地域ブランディング講座 – 第4回

地域の魅力を発掘・編集する地域ブランディング講座「LOCAL BRANDING LABO 」。いよいよ折り返しも過ぎ第4回となりました。

LOCAL BRANDING LABO
10月の開業予定に向けて企画・開業準備が進んでいる滋賀県首都圏情報発信拠点「ここ滋賀」のリアルタイムケーススタディに参加しながら、「滋賀県」を題材に地域活性の視点・方法を学ぶ
UDS ビジネスデザインスクール の1中の講座です。

第1回「日本橋まちづくりとアンテナショップ」の様子はこちら

第2回「編集で地域の交流人口を増やす方法」の様子はこちら

第3回「滋賀が誇る発酵食文化」の様子はこちら

第4回目のゲストは滋賀県・長浜市の銘酒「七本槍」の蔵元で450年余年の歴史を持つ冨田酒造の冨田泰伸氏。

「蔵元に学ぶ地酒ブランディング戦略」をテーマに、東京でも人気の日本酒「七本槍」のブランディングについて、実際に醸造から販売までを手がけられている冨田さんを囲んでの開催となりました。

「大正時代には滋賀に209あった酒蔵がいまは33蔵と、消費量の低下とともに酒蔵の数がどんどん減ってきています。また日本全体でみると流通している日本酒の半分ほどの量を上位の15社が作っているという状況。そんな環境で、その地に根付いて長い間お酒を作り続けてきた小さな酒蔵が存続していくためにはどうしたらいいかを考えて取り組んでいます」と冨田さん。

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東京でのワインなどの営業販売の仕事などを経て、実家の冨田酒造に戻り家業を継がれた冨田さんは時折海外のワインのもとを訪れるそうで、ワインの生産者はそのぶどうが育った土壌や風を瓶に詰めて土地ワインで表現している人が多いことにすごく共感するとのこと。

「自分は滋賀の木之本という地でお酒を作っています。そこで滋賀の地酒を造り続けていこうと考えた時、当たり前のことですが原材料の米は地元の自然の恵みの元、地元の生産者がつくっていることこだわりたいし、飲んだ時にそのお酒が作られた風景や空気を感じてもらえるお酒を造りたい、と思うようになりました」、と話しながら、実際の販売戦略や商品展開の取り組み、日本酒作りの姿勢などについてお話くださいました。

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お話のあとはお待ちかねの試飲と試食時間。
湖魚の佃煮やふなずしなど滋賀県の酒肴盛り合わせと、冨田さんの造る「七本槍」の特別醸造品を含む3銘柄が振舞われましたました。ふなずしを生まれて初めて食べるという方も何人かいらっしゃいましたが、「今日こういう機会がなかったらおそらく一生食べる機会がなかったと思うけどとても美味しい」と大好評で、講師で滋賀在住の市田恭子さんも冨田さんも、プロジェクトメンバーも「そうなんですよ!」と満面の笑顔になる場面も。

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”滋賀は海なし県で琵琶湖で採れる淡水魚をよく食べます。それらにはしっかり味をつけるので、滋賀のお酒は濃い目の味が多いです。今、日本酒の全体的には華やかでフルーティーな味わいのものが好まれ、よく売れるのですが、滋賀の酒蔵はそれに流されず、滋賀らしいお酒を造り続けています。これはとても誇らしくいいところだと思っています” と食と日本酒の関係性、滋賀の日本酒についてもお話いただきました。

引き続きお酒を楽しみながら後半はワークショップ。今回は10月にオープンする「ここ滋賀」1階に、滋賀県酒造組合の全面協力のもとオープンする「Shiga’s Bar」が題材です。「Shiga’s Bar」は滋賀県の全33蔵のお酒がいつでも飲めていつでも買える場として計画している日本酒カウンター。ここにどういう機能があったら通いたいか、日本酒のどういう出し方をしてもらえたらより魅力が伝わるか、について、集まったお酒好きのみなさんから次々と意見が飛び交います。

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お酒はどこでだれと飲むかで大きく味が変わる、と冨田さんがおっしゃいますがお酒のおかげでいつも以上に和やかで活発な交流が生まれた回となりました。

現在アメリカでも日本酒は大人気で、冨田さんの造る日本酒も人気レストランにオンリストし、好評を集めているそうです。「守っていかねばと守りに入ると衰退していってしまうと思うのです。攻めることで守っていきたい」、との言葉に七本槍の躍進の理由が垣間見え、これからのさらなる躍進への期待が高まった夜でした。

次回は8月30日。滋賀県のものづくりの村 「ファブリカ村」の 北川陽子さんをゲストにお迎えし、UDSのホテル アンテルーム 京都のキュレーター上田聖子とともに、「ものづくり・デザインの力で地域の魅力を発信」をテーマに開催します。

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