1990.6.3 社内向け Other Cut:「ホテルをつくるレシピ」

先日、週刊ホテルレストラン別冊「ホテルをつくるレシピ」の、梶原さん、佑策さん、そしてOB寳田さん、明山さん、吉岡さんの鼎談記事を共有しましたが、記事にはされなかった部分でも興味深いコメントがたくさんありました。

そんな中から一部を抜粋で共有します。

UDSを立ち上げたきっかけの話

梶原さん:自分が豊かに暮らすことが大事ですから。それを仕事としてやれたらと考えていました。

そして、(建築を勉強していたので)いい建物をつくって、いいまちをつくることはすごく大事なことだと意識していました。

自然発生的に出来上がって来た日本のまちなみ、その混沌としている感じを、新しい仕組みで、もう少しいい方向にできたらいいんじゃないかと考えたんです。

10年コーポラをやって、次に考えたのがホテルでした。
海外のホテルのバーは地元の人が集まって飲んでたりしますよね。
そういうシーンを見て来て、ホテルは地域のコミュニティの中心になれる力があると感じていたんです。
だから日本でも地域のそんな場所になるホテルを作りたいと思ったんです。

コロナを経て、東京一極集中から、地方への動きがあるのでは、という話

梶原さん:地方においてもホテルがキーになれると思っています。

地方って何もない、って思われがちですが、圧倒的な自然の豊かさがあります。
そこにいいホテル入ってくれば、快適さも提供できるし、より魅力を発信できると思います。

そういう意味でもホテルの担う役割はどんどん大きくなっていると思います。

だから、ホテリエもデザイナーも、もっと「考えて」いかないといけない。
ホテルは今はマーケット的には厳しいですが、チャンスとも言えると思います。

地域、コミュニティとホテルの話

梶原さん:ホテルに地域の人を呼び込めるかどうか、は運営が全てだと思います。例えば、由縁新宿など、地元の方がよくいらしていただいていますが、運営のスタッフがちゃんと顔を覚えていて、声をかけています。

吉岡:運営からいうと企画と設計がすごく大事だと思います。(大きな笑い起こる)
自分が関わったアンテ京都やON THE MARKSは、企画と設計が地域性の強みをしっかり引き出してくれていました。
それがあると地域に共感されやすく、地域と繋がっていくことができます。
そこからどうやっていくか、が運営の力、になってくると思います。

地域課題解決、というと言い過ぎですが、大事なのは「困って相談されたら必ず答える」というか。一緒に解決していく姿勢、だと思います。
売れない野菜の相談があったらそれをホテルのレストランで使う、とか。
そういう風に、相談にちゃんと答えていくことの積み重ねで、アンテ京都やOTMは地域との繋がりが深まったと感じていました。

佑策:コロナで、ホテルをワークスペースとして使う、住居として使う、みたいな、これまでやってみたいけどなかなかできなかったことをやって見れるチャンスになっています。
つまり、ホテルが身近になって来ているタイミングなので、いまこそコミュニティ作っていく、深めていくチャンスかもしれないと思います。