ホテル アンテルーム 那覇が2025年5月1日、観光業界における持続可能な運営を推進することを目的とした国際的なサステナブル認証「Green Key」を取得しました。
https://okinawa-uds.co.jp/post-14924/
取得にあたっては、エネルギーや水の使用、廃棄物管理、地域社会との関係、スタッフやゲストへの環境教育などの13カテゴリーにおける75の必須項目を満たさなくてはいけません。今回ホテル アンテルーム 那覇では約3年間にわたって地道に取り組みを進めた結果、沖縄県内のホテルとして第一号のGreen Key認証施設になりました。
主担当として実際の取り組みを推進してきた栢野さんに、取り組みについて聞きました。

取り組みスタートの背景
- どのようなきっかけでサステナブルな取り組みがスタートしたのですか?
ホテル アンテルーム 那覇で持続可能な運営に向けた取り組みに力を入れはじめたのは2022年初頭です。当時はコロナ禍の真っ只中で、世界的に人々の意識が変化してきていることを感じながらこれからの方針について検討していました。
検討を進めていく中で、よりサステナブルな旅をしたいと考えるお客さまのニーズに応えながら、自分たちも地元の沖縄、そして地球にとってよい運営を行っていくべきではないか、という方向に向かっていきました。
私は以前石垣島のホテルのマリンスタッフとしてダイビングやシュノーケリングのガイドをしていました。その時に、海が汚れていたりサンゴが白化していることを体感していたのでサステナブルな取り組み推進に興味を持ち、実務担当に手を挙げました。

- 何からはじめたのですか?
最初はまず、世界の事例や他のホテルの取り組みをもとに、ホテル アンテルーム 那覇としてやれる事、やりたい事を書き出してみることからはじめました。
そして書き出したものについて、実際の運営現場を踏まえて実現可能か、持続可能か、という視点で整理し、整理したアクションを3つのフェーズに分けて、タイムラインを設定して進めていきました。
- その時にGreen Keyをとることを目標に設定していたのですか?
この時はあくまでやれる事、やりたい事、からはじまっていて、色々アクションを実現していったその先にGreen Keyが取得できたらいいね、という感じでした。
- Green Key取得のために、という取り組み方ではなくてその反対の流れだったのですね。実施するアクション検討する際に意識したことはありますか?
現場スタッフがやりたいと思っているか、なぜやるのかをチームメンバーが理解しているかや、ゲストの滞在満足度を下げないことを大事なポイントとして、整理を行っていきました。
- その結果、どんな取り組みを進めていったのですか
客室に備えていたアメニティから取り組みを開始しました。まず2022年10月に提供方法をフロントで必要なものを持っていただく形に変更。その後、翌年2月に客室のペットボトルウォーター設置をやめて、ウォーターサーバーからカラフェで持っていってもらう方式に変更しました。その5ヶ月後、7月に歯ブラシやくしをプラスチックから竹製にしたり、髭剃りを紙製にしたりと、サステナブルな素材をつかったものへの切り替えを行いました。
いい意味での想定外
- 変更してみてゲストの反応はどうでしたか?
ネガティブな意見を一定数いただくだろうと予想していたのですが、結果的にはそういったお声はほとんどなくて、好意的な意見をたくさんいただきました。
- ホテル側からみた効果などはどうですか?
年間でペットボトルのゴミは4万3,000本(1,300kg)、
プラスチックの歯ブラシゴミも4万6,000本(930kg)、
使い捨ての客室スリッパは1万5,000足分、削減することができました。
さらに清掃の際の客室の補充業務の負担や保管場所も減りました。プラスチックから切り替えたアメニティの単価は上がりましたが、全体の利用数が減ったのでコスト的にも問題のない範囲に収まっています。
また取り組みをきっかけに節電の提案やカラーコピーの削減しよう、という声が上がるなどスタッフの意識も高まってきて、現在では以下のような取り組みも実現しています。
・地域生産者の規格外食材の活用
・沖縄県産パインで作ったパイナップルストローの導入
・パイン繊維で作ったかりゆしやジーンズの端切れを使ったバガスコースターの導入
・レストランの紙伝票廃止
・NPO団体への定期的な食材寄付
・電気の省エネ
・パラアートの導入
そうしていよいよグリーンキー取得に向かう訳ですが続きは後編へ。
後編を読む→ https://uds-net.co.jp/blog/https-uds-net-co-jp-news-hotel-anteroom-nstainable-action-2/















