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ブログ 2024.12.23 能登のみなさんの笑顔のために
ホテルができることを模索して
-SOKI KANAZAWA

能登半島地震の発生からもうすぐ一年。9月には豪雨災害も発生し、地元石川県出身者のスタッフも多いSOKI KANAZAWAでは、ホテルとして何ができるのかを考え続ける日々でした。

そんな中でこの秋、能登のみなさんと協力して企画・実施することができたローカルマルシェや能都中学校吹奏楽部の演奏会の催しの取り組みについて支配人の伊藤に聞きました。

- ローカルマルシェ取り組みのきっかけは?

震災があってから、被災者の方々の受け入れや、能登銘菓をウェルカムスイーツに提供、ホテル装飾に能登のものを使用するなどを行ってきましたが、もっとホテルとしてでできることがないかをずっと考えてきました。

スタッフが実際に能登、珠洲へ足を運び、現地の方とお話しする中で「能登のことを忘れずに気にかけてくれている人がいると思えると力になる」、「能登で元気に頑張っている人がいる、という事を知ってもらえる場があれば嬉しい」という声を聞き、ローカルマルシェ「SOKI KANAZAWA NOTO MARCHE」を企画しました。SOKI KANAZAWAは金沢でも多くの人が訪れる近江町市場至近の場所にありますので、その立地を活かして、能登で頑張っているみなさんと、宿泊ゲストや近隣地域の皆さんの間に交流が生まれ、能登の魅力を発信できる機会をつくることができればという想いからでした。

- ローカルマルシェはどんな形で開催したのですか?

能登ではご自身が被災しながらも様々な支援をしながら頑張っている方々がたくさんいらっしゃいます。今回はそんな方々の中からご縁をいいただいた3つの事業者の方に、ホテル前のスペースを使ってキッチンカーを出店いただきました。また、現地を訪れた際に羽咋市千里浜町で立ち寄った、道の駅 のと千里浜さんの商品を取り寄せてSOKI KANAZAWAスタッフが販売させてもらいました。ホテルの隣に位置するかなざわはこまちさんに飲食スペースを提供いただいてとてもありがたかったです。

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奥能登珠洲の喫茶BAR 惚惚さん。地震以降、お店を一時避難所として開放したり、救援物資の受け渡しを行っていらっしゃいます。 「能登には面白い若手プレーヤーがいるということを多くの方々に知ってほしい」 とおっしゃっていました。
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無添加にこだわった七尾市の食堂 ひのともりさん。当初はフランス料理店として営業されていましたが震災を経てもっと気軽に立ち寄ってもらえるようにと食堂としてリニューアルオープンされました。9月には、姉妹店「クラシノナカ」を金沢にオープンされました。
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穴水町のブルーベリー農園ひらみゆき農園 さん。震災前から「能登を出て全国・世界にブルーベリーを届けたい」を今年の目標として掲げていらっしゃり、全国・世界中の方々に 能登ブルーベリーを知ってもらうきっかけになればとの思いで参加いただきました。
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「宿泊ゲストや地域の方々に能登のおいしいものを 食べて、 知っていただきたい。」との思いから、能登羽咋の「いい」が集まる道の駅 のと千里浜さんにお声がけして商品を取り寄せオリジナル商品をホテルのスタッフが販売させてもらいました。

- 当日の様子はどうでしたか?
ホテルの近隣の方や近江町市場の方々も顔を出してくださって「自分も能登出身で、購入という形でしか貢献できないけど、ホテルがこんな事を企画してくれるのは嬉しい」という声をもらいました。また出店いただいた能登のみなさんには、「ゆっくりお客さんとお話ができてとても良かった」、「能登の繋がりのある仲間と一緒に参加できて良かった」、「普段と違ったお客さんとの交流もできていい刺激になった」とおっしゃっていただけました。

- ふれあい体験フェアでの能都中学校の演奏会の催しについてはどういった経緯だったのですか?
金沢の夏の恒例イベントの「金沢ゆめ街道2024」というイベントが8月にありまして。そちらへの参加協力のお話をいただく中で、イベントの中でトランペット独奏をされた能都中学校3年吉村想さんとのご縁ができました。その時に吉村さんから地震の影響で仲間が引っ越して行ってしまったことや、所属する吹奏楽部での演奏機会が少なくなってしまったことを聞いたんです。その後、SOKI KANAZAWAも参加している武蔵商店街振興組合さん主催のふれあい体験フェアの相談をいただいたので、ぜひ能都中学校吹奏楽部のみなさんに演奏を披露してもらえればと思い、お声がけをして実現しました。

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- こちらは当日の様子はいかがでしたか?
少しでも多くの方に聴きにきていただけるように、地元新聞で開催のことを記事にしていただいたり、チラシ配布をしたりなど事前告知も頑張りまして、当日は2回あった演奏会のどちらも満席で、予想していたよりも多くの方に演奏を聴きにきていただくことができました。制服を見て能都中学出身の方が足を止めてくれたり、演奏終了後には多くの方から応援の言葉を頂けて、顧問の先生からは「とても楽しい時間で帰りのバスもみんなウキウキした様子が続いていてにぎやかだった」と教えていただきました。

新聞の取材では学生を代表して吉村想さんが「ここで演奏出来て良かった。被災地のことを忘れずにいてほしい」と語ってくれていて。とても印象的でしたし、実現できてよかったと思いました。

後日部員のみなさんから改めて「とても楽しく演奏できた」、「盛り上がって聞いてもらえて嬉しかった」、「3年生には最後になる演奏を金沢でたくさんの人に来てもらえて嬉しかった」という感謝のお手紙をいただいて、本当に嬉しかったです。

- ふれあい体験フェアでは他にも物販などもされたのですよね?
はい、これまでご縁のあった方々と協力をして「能登の良いコト・モノ」を紹介できればと考えまして、SOKI KANAZAWAスタッフおすすめの能登のお菓子販売や能登ヒバの香り袋体験、ホテルのレストラン「空汐」の料理長による能登産岩もずくを使ったお味噌汁販売なども行いました。お菓子には紹介文と、生産者の方からのメッセージを書いたカードをつけて、能登の魅力を少しでも伝えられるように工夫しました。

-2つのイベントを終えてみてどうですか。
通常のホテル営業をしながら色々な準備をすることは大変な部分もありましたが、能登のみなさんに喜んでもらえたのが何よりでホッとしましたし嬉しかったです。開催に際してのたくさんの皆さんのご協力に感謝の気持ちでいっぱいです。

能登の大変な状況は今も続いています。1日、2日のイベントで力になれることは限られていますが、能登に心を寄せながら地域の皆さんと協力して、ホテルという場でできることを考えて取り組んでいきます。
この度のイベントでご協力、ご来場いただいたみなさま、改めましてありがとうございました。

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