企画から設計、運営まで、UDSの持つ事業領域をすべて網羅した少人数チームで、あらゆるジャンルの案件を手がけている事業企画部のチームSDU(システムデザインユニット)。
チーム発足の背景や強み、目指す姿を、事業企画部 SDU ゼネラルマネージャー三浦宗晃が紹介します。*2025年3月更新
SDU誕生の背景
UDSは企画・設計・運営という事業の立ち上げから運営開始までに必要なすべての機能を持つ組織です。私自身はその中で企画、運営マネジメントなど幅広い業種を担当してきたのですが、一番最初はシェアハウスのプロジェクト担当者として、自らそこに住んで日々改善をしたり、その知見を次の企画に生かすというような働き方をしてきました。そんな動き方をチームでやれば、さらに企画の可能性が広がるのではないかと考えていました。
これまでは「事業企画部」として各部と連携しながら多くの案件を担当してきたのですが、組織が大きくなっていくにつれて、小回りがききづらくなったり、情報が行き交いづらくなる側面を感じることがあったため、「事業企画部」の中に各分野のメンバーを集めて2023年に立ち上げたのがシステム・デザイン・ユニット「SDU」です。

SDUの強み
SDUの最大の特徴はプロジェクトの起点となる企画から実装するフェーズの運営までを網羅する機能を持つチームであるということです。
大きなプロジェクトでは通常、それぞれのフェーズ・業務で別々の会社に依頼をしなければいけないかと思いますが、UDSは最初から最後まで対応することができ、さらにSDUはひとつのチーム内で担当することができます。
SDUではプロジェクトを妄想・構想・伴走・実装という4つのフェーズに分割して捉えています。この4つのサイクルを回すことでプロジェクトをよりよいものにしていくのがSDUの目指すあり方です。それぞれのメンバーが専門領域に留まるのではなく、全員が「しくみをつくる人 = システムデザイナー」という意識で、領域を越境しあうような体制をつくっています。

「妄想」「構想」「伴走」「実装」とは
SDUのプロジェクトは多くの場合、土地や建物をどう活用するのかという課題の相談を受けることから始まります。どうすればいいか方向性が決まっていないケースがほとんどで、クライアントと一緒にリサーチ・対話を繰り返しながら、いろんな選択肢を検討していきます。これを「妄想」と表現しています。この妄想の段階からプロジェクトに入れると、事業の可能性が広がり、SDUとしてより力を発揮できると感じています。
その後、具体的なビジネスモデルを組み立て、事業収支計画に落とし込んで「構想」していく。自分たちで日々事業を行っているからこその知見が発揮される部分です。
そしてチームを組成し、プロジェクトマネージャーとしてヒト・モノ・カネ・スケジュールをマネジメントしながら、クライアントとともに開業にむけて「伴走」していきます。
SDUで設計図面をひいたりはしないですが、デザインの方向性や平面レイアウトの構成など、設計のディレクションを行い、内容に応じて、社内の設計チーム、他社の設計チームを選択して依頼します。
SDUはここで終わることなく施設の機能の「実装」まで行うことができます。日々の運営のためのオペレーション構築、施設管理、リーシングなど、これまでの多様な施設の運営を通じた知見を踏まえて、さまざまな形で運営をサポートしていきます。UDSが2013年に手がけたシェアハウスを今でも運営していますが、古くなった部分に手入れをしてバリューアップしたり、コロナ禍でシェアハウスにコワーキング機能が必要となればその機能を「実装」したりもしてきました。

実績
SDUでは「依頼与件自体を問い直す」ということも意識しています。私たちは事業企画から設計、実際の運営までの知見があり、プロジェクトマネジメント、家具や施工、運営管理や事業収益など、いろいろな形で関わることができるので、クライアントの目指すものを良い形で実現するためにゼロベースからエンドユーザ目線で考え、プロジェクト自体の方向性の提案をすることもよくあります。
そのような関わり方で多様なプロジェクトの実現に携わってきましたが、現在は「SHIMOKITA COLLEGE」という居住型の新しい教育施設や、NTT西日本さんのオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE」、相鉄アーバンクリエイツさんと東急さんの事業共創施設「Vlag yokohama」などをはじめとする、11の複合施設や学生寮やシェアハウス、コワーキングスペースの運営をSDUにて手がけています。



よくいただくご相談
ここ最近では、どこから手をつけていいかわからない、プロジェクト全体の旗振り役がいないという相談が多いです。幅広い業態の企画から運営までできるというのがポイントになってお声かけいただくことが多いようです。
以前、商業施設ではオフィスや住宅を上層階に設けつつ、育成用途としてホールを設置するような形が定石とされていましたが、コロナ禍以後はイノベーション施設を併設したいという取り組みのご相談が増えています。そうした新業態の開発のような案件も増えていて、サービスそのものの開発をするような案件もあります。前述したNTT西日本さんのオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE」や東急さんと相鉄アーバンクリエイツさんの事業共創施設「Vlag yokohama」などはまさにそうした事例です。
目指すチームの姿
現在は運営メンバーも含めて38人のチームで14の施設を運営していますが、よりよい提案・サービスを提供していくためにメンバーはさらに拡充していきたいと考えています。慎重さを持ちつつも、長期的にはどっしり構えてなんとかなるというポジティブなマインドを持っている方や、依頼内容自体を疑ってみたり、ときにはクライアントにクリティカルな指摘をしたり。そういう捉え方や提案ができる方とチームを作っていきたいと思ってます。
未経験の領域にどんどんチャレンジしていきいたいですが、その際には組織内外の専門性のある人とチームアップすることが重要で、そのコーディネイター的な動きがとても大切になってきます。
コーディネイターの機能は、30年前にコーポラティブハウスをコーディネイトすることからはじまったUDSの組織の特徴であり強みです。対話力が必要ですし、意見の対立も恐れずにより良い視点を引き出しながら学習を繰り返し、ビジョンに向かって推進力を持って調整していくような能力が必要となります。そうしたUDSが脈々と繋いできた強みを軸に、社会に新たな選択肢を投げかけていけるチームを目指しています。
