パークウェルステイト千里中央

ブログ 2023.5.10 13,000坪超 アクティブシニアのためのサービスレジデンス「パークウェルステイト千里中央」のデザイン監修を担当しました

UDSがファサード・共用部・ランドスケープのデザイン監修と家具・アート製作納品を担当した三井不動産レジデンシャルによるアクテティブシニアのためのサービスレジデンス「パークウェルステイト千里中央」が2023年3月27日に開業しました。

UDSとして約20年ぶりに手がけるシニア向け施設の本計画と、UDSの取り組みをご紹介します。

mfrw.co.jp/parkwellstate/senri-chuo

パークウェルステイト千里中央

近年ではUDSはホテルのイメージが強いかと思いますが、もともとは「コーポラティブハウス」*という、日本では新しい住まいの形を手がけることから始まった会社です。2000年代初頭には企業の独身寮などの福利厚生施設やオフィスを有料老人ホームへリノベーション/コンバージョンするプロジェクトを手がけていました。
*土地の取得から建物の設計、工事発注、管理など全ての過程を自分たちで共同して行う手法による住まいづくり

その際には投資会社と組んで日本初となる「有料老人ホーム向け投資ファンド」を組成して収益不動産化する仕組みも作っており、当時10棟以上の介護付き有料老人ホームへのコンバージョンを手がけていました。

有料老人ホーム
(UDS説明資料より)

それから約20年、今回の「パークウェルステイト千里中央」はUDSとしてしばらくぶりに手がけるシニア向け施設となりました。

プロジェクト担当の経緯

これまで三井不動産レジデンシャルさんのレジデンスのデザイン監修業務を複数案件担当させていただいており、同施設のデザインコンペにお声がけいただいたことがきっかけとなってデザイン監修業務を受託し、プロジェクトに参画しました。

パークウェルステイトは、人生100年時代における、自立した元気な高齢者の方々が新たなライフステージを活き活きと過ごしていただく「シニアのためのサービスレジデンス」* です。
*お元気な高齢者の方々に、より自分らしい豊かなくらしを実現していただくことを目指し、当社グループが提案する新しいすまいのカタチ。

三井不動産レジデンシャルさまプレスリリースより

グランドホテルクラスの豊かな共用部のデザイン

「パークウェルステイト千里中央」は敷地面積約1万7000 m2 (約5400坪)、延床面積4万5000m²、548戸​室という規模の施設です。
特徴の一つが入居者様が住まいの延長として過ごす場所としての多彩な共用施設」。
そのため「ファサード・共用部・ランドスケープのデザイン監修と家具・アート製作納品業務」といっても、これまで手がけてきた施設とは規模感が大きく異なり、なおかつ、より一層のエンドユーザー目線・クライアントフォーカスが必要となるプロジェクトでした。(COMPATH 高宮大輔)

例えば共用部はエントランスホールからはじまり

  • ラウンジ
  • 毎日3食を提供するダイニング
  • サロン
  • 大浴場
  • リラクゼーションルーム
  • ライブラリー
  • 応接室
  • 多目的ルーム
  • フィットネスルーム、麻雀ルーム、カラオケルーム、ビリヤードルーム、楽器演奏室
  • ゲストルーム
  • 屋上庭園
  • 各階廊下 ・・・

と実に多様な用途の空間が計画されていました。

これらそれぞれの空間のインテリアデザインを検討提案するとともに、家具・アートの製作・納品を担当させていただきました。加えて建物ファサードデザインと建物周辺のランドスケープデザインにも取り組ませていただき、プロジェクトとしては一つですが、複数のプロジェクトを同時推進しているかのような規模のお仕事でした(COMPATH 鈴木沙祐里)

パークウェルステイト千里中央
エントランスホール。明るい光を取り込む大きな窓の先には緑に囲まれた水盤が広がります。
パークウェルステイト千里中央
エントランスホール ラウンジ

プロジェクトメンバー自身この規模のかつシニアレジデンスを手がけるのは初めてでしたが、これまでUDSではホテルをはじめとして、集合住宅、公共施設、教育施設、商業施設、食堂、学生寮、ワークスペース、等、多岐にわたる施設の企画、設計、運営を手がけてきました。そのノウハウや知見を生かしながら、常に「エンドユーザ視点」で、住まわれるシニアの方々一人一人にとって、快適で、安心で心地よく、心豊かに過ごせる住まいになるよう、パートナーのみなさまとともに精一杯取り組みました。

デザインコンセプトは
「豊/縁」(ほう/えん) -豊かな緑を持つレジデンス
とし、住まわれる方々が豊かな生活を過ごせる品格があり上質なデザイン、居住者同士の縁・大事な家族との縁をより強く結びつけるレジデンスのデザイン提案を行いました。

パークウェルステイト千里中央
介護フロア リビングスペース

これまで手がけてきたホテルや商業施設などにおいても、常に幅広い年齢の方が訪れる場としてデザインしていますが、今回のようなシニア向け住まいでは私たちのような年代ではわからない部分がどうしても出てきます。その点は事業主の三井不動産レジデンシャルさんと運営者の三井不動産レジデンシャルウェルネス​​さんがこれまでシニア向けレジデンスを手がける中で積み重ねられてきた知見と重ね合わせながら、想像力を最大限に働かせて取り組みました。

「デザイン監修」の立場ではありますが、手すりの形状・位置から、車椅子でも食事のしやすいテーブルの足のつくり​​、など、検証を密に行い細部にわたるデザイン監修を行っています。(COMPATH 高宮大輔)

通常のレジデンスは基本的に入居者の方のみ出入りができる施設となりますが、本施設ではイベント開催時などには外部からも直接入れる「離れ」や「多目的ホール」が計画されていて、入居者の方々同士、また、入居者社の方々と地域にお住まいの方々とのコミュニティを育む共用空間を、という方針が掲げられていました。

離れでは食堂の食材を活用した子ども食堂の開催も検討されているとのことでしたので、実際にイベントに参加いただくもよし、その様子をラウンジやダイニングから眺めるもよし、とお一人お一人にあった形でのつながりを持てるような設計を行っています。(COMPATH 鈴木沙祐里)

パークウェルステイト千里中央
中庭庭園の向こうに広がる離れ

館内アート

インテリアデザインと一体となって空間をより豊かに彩るアート作品の設定・納品もUDSにて手がけました。

大阪にゆかりのある作家さんを中心に、漆喰、テキスタイル、和紙、竹、木、植物、陶器、左官、などそれぞれの空間ごとに提案。毎日にそっと寄り添う存在として、時には元気付けられたり、癒しを感じたり、会話が生まれたり、そんなきっかけにもなることを願いながら選定・設置していきました。

パークウェルステイト千里中央
ライブラリー
パークウェルステイト千里中央
ビリヤードルーム

ランドスケープデザイン

計画地周辺は「緑丘」という地名の通り、周辺に箕面の山々や千里緑地をはじめとする大小さまざまな公園や緑道が広がる緑豊かな住宅地。ランドスケープデザインではその周辺環境との調和した緑の景観づくりを行いました。

植栽計画では、潜在植生をベースとした計画とすることで、周辺環境である箕面の山々と調和し、日常生活において、四季の移ろいを感じる空間を創出しました。また、多様な共用部とそれらとつながる屋外空間を一体で提案させていただくことで、共用部の特徴的空間を内外一体でつくりあげ、ここに住まわれる方の日常に寄り添う居心地の良い居場所づくりを目指しました。 (ランドスケープデザイン担当 COMPATH 小泉 智史)

UDSでは2024年秋開業予定のパークウェルステイト湘南藤沢SSTについても、同様にデザイン監修業務を受託し、現在絶賛進行中です。

以上パークウェルステイト千里中央のデザイン監修業務についてご紹介しました。
関係者のみなさま、大変お世話になりましてありがとうございました。

■ 「パークウェルステイト千里中央」概要

所在地:大阪府豊中市北緑丘1丁目7番5(住居表示)
敷地面積:17,909.32 m2 (5,417.56坪)
延床面積:45,120.16 m2 (13,648.84坪)
構造・規模:鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造 地上13階建
類型:住宅型有料老人ホーム
居室数:548室(一般居室470室、介護居室78室)
住戸面積:46.69 m2 ~78.95 m2

スケジュール:着工 2020年12月 竣工 2023年2月 開業 2023年3月
設計・施工:株式会社長谷工コーポレーション
外観・インテリアデザイナー:UDS株式会社
介護・看護パートナー:株式会社アクティブライフ(大阪ガス100%出資)
医療連携:
社会医療法人純幸会 関西メディカル病院
医療法人ミナテラス かすがいクリニック
社会医療法人大道会 帝国ホテルクリニック
医療法人城見会 アムスニューオータニクリニック
ファルメディコ株式会社
ダイニング運営:株式会社グリーンハウス