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ブログ 2023.7.26 まちとホテル

UDSにとってのホテル

「まち」を構成するもののなかの「住宅」(コーポラティブハウス)から事業をスタートしたUDSですが、コーポラティブハウス/コーポラティブヴィレッジ事業を10年ほど手がけたのち、次の展開としてまちづくりの場所としての「ホテル」事業にのりだしました。

創業当初からまちづくりの場所として「ホテル」を手がけたいと考えていました。ホテルがまちにとって重要な場所だと思っていたからです。

それは学生時代にイタリアやスペインを旅したときに、ホテルにあるバールやバルがまちの人たちのコミュニティになっていて、朝も夜も人が集まっている場を見たことがきっかけでした。まちの人が集まる、まちのコミュニティがそこにはありました。旅行者である自分も訪れることで地域の生活を体験できる。そんな、まちに溶け込んでいる場がとても印象的でした。

当時、日本のホテルは、海外からブランドごと「ぽん」と持ち込まれて落とされているような形のものが多く、欧米文化のサービスに日本のデザインが中途半端に入っているような違和感を感じていました。そんな中、日本のサービスと日本のデザインを取り入れた、日本の宿泊のあり方があるのでは、日本のまちの良さを、文化を発信する宿泊施設がもっとあるべきでは、と考えるようになりました。それをできるところから少しづつ形にしてきて今に至ります。」(創業者 梶原文生)

新しいホテルを企画して提案を繰り返してはいましたが、ホテル事業の実績がないスタートアップですから、ホテルの仕事はやってきません。それなら自分たちでやってしまおうということで、物件を探し、老朽化したホテルをリノベーションしてはじめたのがUDSがはじめて手がけたホテル「CLASKA」でした。

私自身は学生時代に建築を学んだ、デザイン畑出身の人間です。建築の設計者にとっては、新しいビルを一から建てることは魅力があります。しかし、日本にはすでにコンクリートの建物があふれています。それらのコンクリートビルは、50年から100年もつといわれています。人口が減っている日本で、これ以上コンクリートの建物を作る必要はないのではないか、という問題意識は根底にありました。

同時に強く感じていたのが、環境に対する意識です。建築に携わるのなら、できるだけ環境への負荷を低くしたい。だとしたら、あるものを活かす道がいい。

アンテルームでは、古い建物をスクラップ&ビルドではなく、コンバージョン(転換)とリノベーション(再生)の手法で活かすことに取り組みました。「古いからこそカッコいい」という価値の転換を目指したかったのです。 
朝ごはんも、デザインも、ビジネスモデルも、すべてにクリエイティブな革新を
-UDS会長・梶原文生
 より

それから約20年。コンバージョン・リノベーション・新築など、各地域で数多くのホテルを手がけてきました。
そして現在では自分たちで企画、設計、運営まで手がけるホテルや旅館を16施設、国内外で展開しています。

uds-hotels.com/concept

all-day-place-shibuya
2022年4月渋谷に開業したall day place shibuya。"#まちの合間に、いつもある、いつもの居場所" をコンセプトに渋谷のパブリックハウスを目指してUDSが企画・設計・運営しています。

以前発行していた冊子「UDS Journal」の Vol.2(2016年12月発行)では、UDSにとって最初のホテル「CLASKA」や、自分たちでのホテル運営をスタートさせた「ホテル カンラ 京都」の取り組みなどを、「まちとホテル」をテーマに紹介しています。
ご覧になってみてください。