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ブログ 2021.4.2 ホテル アンテルーム 京都の上田が登壇。京都市南区のみなさんと考える「これからの企業とまちの関わり」

先日、京都市南区役所が主催するオンライントークイベント「みなみなみなみ」にて、株式会社規文堂の東郷さんとともにホテル アンテルーム 京都 支配人の上田がお話しさせていただきました。京都市まちづくりアドバイザーの木村響子さんを聞き手に、京都市南区で活動する民間企業としての目線から感じるまちの魅力や、これからの可能性などをお話ししました。

登壇者プロフィール

東郷 拓真さん(株式会社規文堂 役員)
京都府出身。京都大学工学研究科を修了後、一級建築士として活躍。図書館等の公共施設の家具や備品の販売、内装の提案などを行う株式会社規文堂で企画部長を務めるほか、建築デザイン事務所「1050(イチゼロゴーゼロ)」、大学での研究や教育活動などをマルチに行う。株式会社規文堂の庭先に、一般の人が本を持ち寄り交換しながらまちのコミュニティ形成を助ける「まちライブラリー」を設けている。

上田 聖子(UDS株式会社 ホテルアンテルーム京都 支配人)
滋賀県出身。10代で見たアンディ・ウォーホルの展覧会に衝撃を受けて渡英し、グラスゴー美術大学へ進学。ホテルとアートが密接に関わっている状況や、アートに対する敷居の低さを目の当たりにした。帰国後は、日本の職人さんによる伝統工芸を世界に発信する仕事に就き、当時の同僚がアンテルームの開業に関わる話を聞いたことをきっかけに、ホテルアンテルーム京都に勤務することとなり、支配人とアートキュレーターを兼務している。

いま必要なのは「鴨川」のような場所

木村:お二人が感じる南区の魅力って、どんなところですか?

上田:いろんな文化が混在しているところでしょうか。一本違う道に入るとがらっと雰囲気が変わったりして、多文化が自然に共存しているのはいいなぁとおもいます。

東郷:工場も多いですし、技術力のある職人さんが実はたくさんいますよね。面白い会社さんがいるということが、もっとおもてに見えてきたらいいのかなと思います。それぞれの人や会社が取り組んでいることを、うまく外に滲み出していけるような、「滲み出しの方法」をネットやSNSも駆使して探っていけたらいいのかな、と。

▼株式会社規文堂が手掛ける「まちライブラリー」。「この活動によって徐々に「自分たちが何をやっているか」が周囲の人に理解されるようになっていった実感があります。」(東郷さん)
まちライブラリー

上田:私たちはホテル内のギャラリーで企画展を行ったりしていますが、映画館の方や劇場の方、アーティストさんなど、同じように文化的な活動をされている方が多くいます。そういった方たちが集まれる場が少ないと感じることはありますね。私たちホテルが、集まる場のひとつになれたらという思いはあります。

東郷:パブリックな場をどう創出していくか、というのは私も考えているところです。図書館はまさにそういう場になれると思っています。特に最近は図書館と広場とがつながったり、外で読書会をしてみたりという動きも増えていて、パブリックかプライベートかで二分するのではなく、「セミパブリック」「セミプライベート」といった中間の領域、みたいな考え方も理解を得やすくなっていると感じます。

上田:パブリックとプライベート、と聞いてぱっと思い浮かんだのは「鴨川」のような場所。鴨川って誰でも自由に過ごせる場所でありながら、レゲエのイベントをやっている人たちがいたり、トランペットの練習をしている学生さんがいたりと、各々プライベートに使っていますよね。アンテルームをどうまちに開いていくかを考えると、鴨川はすごくイメージに近いなと思いました。

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木村:セミパブリックな場があれば、人は自然と集まってくるかもしれませんね。
上田:そうですね。それに、いろんな人が集まれば、それだけ多種多様な知識も集まります。
東郷:図書館自体が、先人たちの知恵が集積した場所です。郷土史料をはじめ歴史に関するものは分かりやすいと思います。特に最近は図書館のそういった機能が見直されてきていて、図書館でもホテルでも、人が集まって知識が蓄積され、それを発信していく核となる場所が増えていくといいのかなと思いますね。

▼登壇者は、ラジオの収録スタジオと化したアンテルームのアトリエにて、十分な感染対策のもと集まってトーク。(左から、上田、東郷さん、木村さん)
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それぞれが考える、まちの魅力、まちのこれから

後半は参加者と登壇者も混ざっていくつかのグループに分かれてトーク。お互いが考えるまちの魅力や可能性をシェアしました。
上田:私たちのグループでは「南区の魅力は人に尽きるよね」という話になりました。そしてもうひとつ、グループでお話しさせていただくなかで、「アート思考を伝える場としてのホテルの可能性」に気付かされました。何かと閉塞感を感じやすい今の時代に、その状況を軽やかに飛び越えていけるような、斜めからの視点でものごとを捉える力がアート思考により身につくはず。そんな「アート思考」をきっかけとすることで、まちの様々な人たちが集まる場所にしていけるかもしれない、と感じています。

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東郷:多種多様な住民が参加するということと、自分を開放する、表現するものであるアートというのは相性がいいかもしれませんね。こちらのグループで話したのは、京都という土地柄もあってやはり「歴史」にヒントがありそうだということ。ときを遡っていく可能性を改めて考えさせられました。
木村:ホテルにしても図書館にしても、「泊まること」や「アート」、「読書」などをフックに「人が集まる場」をつくることができていきそうですね。
東郷:そうですね。民間企業が元気な南区だからこそ、役所とも手を取り合って鴨川のような中間の場所をつくっていきたいと思います。

▼最後はイベントに参加したみなさんで集合写真を。
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新たな気付きや、南区のみなさんとの新しいつながりが生まれた今回のイベント。南区役所さん、東郷さん、貴重なきっかけをいただきありがとうございました。