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Blog 2020.11.24 INBOUND LEAGUE 3周年!どうなる?ニューノーマル時代の観光宿泊業

UDSが企画、設計、運営しているコワーキングスペース「INBOUND LEAGUE」は先日、3周年を迎えることができました。いつもご利用、応援いただいているみなさまのおかげです。ありがとうございます。

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社会全体に大きなインパクトをもたらしている新型コロナウイルス感染症。インバウンド事業者にとって、今年はとても厳しい1年となりました。海外との行き来が難しくなり、特に観光宿泊業は大きな打撃を受けている業界の一つです。
今回はその観光宿泊業に関わる、UDSを含む3社によるトークセッションを3周年記念イベントのなかで実施。UDS代表の黒田と、開業当初からINBOUND LEAGUEにご入居いただいているCarstayの岩本さんINBOUND LEAGUEの会員さんたちに刺激を受けて起業されたというJ-CATの飯倉さんとで、観光宿泊業に関わる事業者としての目線から、ニューノーマル時代の可能性を語りました。

J-CAT(Japan Culture and Technology 株式会社)

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「IT・イノベーションで文化を繋ぐ」ことを理念に掲げ、ハイエンドな文化体験サービスや、ホテルのバリューアップを目的としたサービスなどを提供。

Carstay株式会社

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「誰もが好きな時に、好きな場所で、好きな人と過ごせる世界をつくる」をミッションに、バンライフ(バン=キャンピングカーで旅するスタイル)周辺のシェアリングエコノミーに取り組む。

withコロナ、アフターコロナのニューノーマル時代に、ホテルの役割や宿泊へのニーズはどのように変化していくと考えますか?

黒田(UDS):コロナを機に、多くの人の働き方が多様化してきているなかで、ホテルには宿泊以外にも提供できる価値があることが分かってきました。実際に、今年の8月から新たにはじめたデイユースプランも好評いただいています。

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岩本(Carstay):バンライフは、場所や時間から自由になる、新しい宿泊体験を提供しています。コロナを経て人々の「密を避けたい」というニーズともマッチできているのはと思っています。

黒田:バンに泊まるというのは、それ自体が体験価値になりますよね。ホテル業界も、ただ宿泊する場所としてのホテルというよりは、より目的性のあるホテルが求められるようになってきていると感じます。

飯倉(J-CAT):宿泊と体験を組み合わせることによって、より目的性を高めて訴求力をもたせることができると私も感じているところです。例えばいま、京都の清水寺に協力いただいて、普段は非公開の場所に特別に入れる体験というものをつくり、それを京都のホテルの宿泊プランと組み合わせるということを始めています。その体験の希少性が高かったり、お客さんのニーズとマッチすれば、体験を目的に宿泊していただけることにつながっていくはずです。

コロナによっていろいろなことがオンラインに切り替わったからこそ、オフラインでの体験価値を求める声は今後高まりそうですね。

黒田:そうですね。ただ、私たちとしては、オンラインにもますます注力していきたい。たとえばホテルの予約システムひとつとっても改善できるポイントがあるはずですし、リピーターの方々を中心にコミュニティ化していくこともできるはずです。オンライン化によって業務の効率化が図れれば、お客さまへのおもてなしにより集中できるようにもなります。

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これまではどちらかというと不特定多数の人をできる限り多く呼び込むことに注力してきましたが、これからは、ファンになってくださる方とどれだけ関係性をつくれるか、長く関わっていただきながらどれだけの価値を提供できるか、という点を考えていきたいと思っています。

「コミュニティ」という言葉が出ましたが、みなさんそれぞれ、コミュニティづくりや、地域とのかかわりに積極的に取り組まれていますね。

岩本:最近ですと三浦半島での事例がわかりやすいと思います。三島半島って「地方」とまでは言いづらいというか、首都圏から1.5時間ほどで行ける距離なんです。日帰りで行けるので宿泊消費額が伸び悩んでいたり、夏は人が集まるものの冬の観光が課題だったりと、難しい点がいろいろとあったんです。そこにバンライフを持ち込んだ。キャンピングカーは冬でもアイドリングなしで暖かく過ごせる仕組みが整っていて、冬に強いんです。車中泊がコンテンツとなり、1泊する人が増えたことで、滞在時間は結果的に延びて地域にお金も落とせている。

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飯倉:先日、HAMACHO HOTELとコラボレーションして、客室の1室で華道体験イベントを開催したんです。地域の方々からのご参加が非常に多く、地域コミュニティの核としてのホテルの可能性を強く感じました。「体験」を媒介にして、地域の人同士がつながるきっかけづくりができるのではないかと手応えを感じています。

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黒田:UDSが掲げるミッションは「世界がワクワクするまちづくり」です。私たちの事業領域は、ホテルから商業、住宅、オフィスなど多岐にわたりますが、それぞれの事業は「目的」ではなく、「まちづくり」につなげる「手段」であると捉えています。ホテルひとつとっても、どこかの地域にホテルができることは、たとえば地元農産物の消費や雇用、周辺店舗との連携などにつながります。いわば「地域内経済循環」のハブとして、ホテルは機能できるはずなんです。これからも「まちづくり」の文脈でホテルや各事業を柔軟に捉えながら、ニューノーマル時代の新しい価値提供をしていきたいですね。

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今回のイベントのテーマは「共創」。トークイベント後、参加者さん同士でのビジネス連携が決まったり、オンラインコミュニティへご参加いただいたりと、多くの「共創」の種が生まれました。

交流会写真

4年目の INBOUND LEAGUE も、引き続きどうぞよろしくお願いします。