ホテルマネジメントフォーラム2018(主催:PwC Japanグループ 会場:ザ・リッツ・カールトン東京)のパネルディスカッションにホテルマネジメント事業部の吉岡が登壇。
ホテル業界の中で、「新たな価値を提供するフロントランナー」としてご紹介いただきました。モデレーターはPwCコンサルティング合同会社グローバルイノベーションファクトリー 野口功一氏。
アンテナ型からハブ型へ、ライフスタイルホテルの魅力と変遷
メディアでも多く取り上げられ、一つのジャンルとして存在感を現してきた「ライフスタイルホテル」。まだ明確な定義のないこの言葉を、どのように捉えているのか?との問いかけからパネルディスカッションはスタート。
吉岡は、UDSが2009に手がけたCLASKAから、今年3年目を迎えるON THE MARKS KAWASAKIの事例を紹介しながら、その変遷を語ります。
「当時は類似施設がほとんどなかったCLASKA。15 m2 の部屋を自由にDIYできたり、シェアオフィスやレジデンス、ショップやレストランの複合型のホテル。『こんなかっこいいライフスタイルがあるよ』とまちに対して発信するアンテナのような感じでした。」
一方で、2015年にオープンしたのがON THE MARKS KAWASAKI。ホテルではありますが、フロントは建物の奥にあり、手前にはレストラン。気軽に地域の人も入れるように意識しています。近くにある川崎のチッタや着物学院と連携した『かわさき着物ウォーク』は、着物をホテルでレンタルして川崎のまちを歩いてもらう取組み。ホテルからまちに出てもらって、まち全体を体験してもらっています。
このように振り返ってみるとライフスタイルホテルは、点から面に、アンテナ型からハブ型へと変わって来たような感じがします。」
企画・設計・運営ワンストップで提供できること
続いて、UDSのスタイルに質問が移ります。
野口氏「UDSは企画、設計、運営全てを担うビジネスモデル。ワンストップで提供する強み、マーケットにおけるニーズは何でしょうか?」
吉岡「大きな会社だと、まず企画・設計メンバーでホテルづくりのプロジェクトがある程度まで進み、実際にオペレーションするメンバーがそれに合流するのは、かなり後のタイミングになってしまいます。UDSでは、コンセプトメイク、空間づくりの段階からその施設を守る運営メンバーが入るので、理解度が高く運営まで繋げられるのだと思います。開業した後にも、積極的に企画・設計メンバーが運営に足を運んで、その理解を継続できるようにしています。
とはいえ、デザイナーがやりたいことも、もちろんあります。例えば、あるホテルで設計チームから『盆栽を入れたい』というアイディアがでましたが、メンテナンスの難しさから運営チームとは意見が分かれました。その後、何度も何度も議論を重ねて実現可能な形を探りました。企画段階から設計と運営がキャッチボールをすることで、特徴が出せているのかと思います。」
2020年以降のマーケット、どのようになっているか?
最後に、世間でも関心の高いオリンピック以降のマーケットについて話題は及びます。
吉岡「2020年はゴールではなくチャンスだと思っています。海外の方々が爆発的に日本に訪れるのであれば、日本人でもあまりいったことのない、地方都市にも海外の方々の目がいくチャンス。日本全国、エリアこだわらずに資源として強みがどこにあるか、そしてその地域の行政が観光にどれだけ本気か?ということが鍵になってくると思います。また、海外展開では中国や韓国などの拠点で、海外へのPRや人材の相互交流で強みを作っていきたいです。」
これからも地域に根ざして、世界の旅行者に日本の魅力を届けるホテルを。その後の交流会でも多くの参加者の皆さんから学びをいただきながら、これからのホテルの可能性の広がりを感じる会となりました。