新型コロナウイルス感染症が猛威を奮った今年。
4月の緊急事態宣言の発令とともに、多くの施設が休業せざるを得ない状況となりました。
UDSが企画、設計、運営を手掛ける「ホテル カンラ 京都」は、引き続き営業はしていたものの、お泊りになるお客さまの数はやはり少なくなっていました。
前代未聞の社会状況で、先のことがなかなか見えてこない毎日。ホテル カンラ 京都として、自分たちには何ができるのだろうか。悶々と考えながら過ごす日々が続いていました。
そんな折に、京都の精肉店 京中さんからお声がけをいただいた「弁当の底力」というプロジェクト。医療現場のみなさまへお弁当を届けるプロジェクトで、カンラの厨房設備を使用できないかというご相談をいただきました。
大変な状況下で、たくさんの人の健康と安全を守ってくださっている方がいる。そんな人たちの力になれたら、微力ながらも応援することができたら……「飲食店、食材店だからこそできることを」という想いに強く共感し、プロジェクトに参画させていただくことになりました。
6月、カンラの厨房に集まったのは、普段は予約も取りづらい京都市内の人気店のシェフのみなさんたち。彼らが交代でやってきては、医療現場のみなさんへお届けするお弁当を、毎日、心を込めてつくりつづけました。
1ヶ月間でつくられたお弁当は、累計で4500食。カンラの厨房から医療現場へ、色とりどりのお弁当が届けられていきました。
▼カンラのキッチンスタッフによるお弁当製作中の一コマ
私たちの他にも多くの飲食店や企業が参画し、最終的に全9,000食のお弁当が届けられて幕を閉じた「弁当の底力」プロジェクト。この度、その取り組みを京都市から表彰いただくこととなり、ホテル カンラ 京都の総支配人 近藤が、みなさんを代表して表彰状を受け取らせていただきました。
コロナ禍において、お客さまがこれまでのようにご旅行を楽しむのが難しくなっていくなか、どのように地域に貢献していけるか、また働くスタッフたちの活力につながることが何かできないか、ということを考えているタイミングでのお声がけでした。
本プロジェクトを経て、たくさんの学びの機会をいただくとともに、地域で活躍される飲食店の皆さまとの絆や、ホテル カンラ 京都のチームの協力体制など、「感謝」というものを深く考える機会となりました。
最近では、お弁当をお届けしていた病院の医療従事者の方がカンラ内のレストランをご利用いただき、直接、感謝のお言葉を頂戴することもしばしばあり、ありがたい限りです。ただ、「まだまだ、現場では新型コロナウイルスや他の感染症の併発など戦々恐々としている」と仰られております。
引き続き、コロナウイルス感染拡大防止策を優先的に、安心安全な環境整備をホテル全体で行ってまいりたいと思います。
(ホテル カンラ 京都 総支配人 / 近藤)
まだまだ先の見えない状況は続いていますが、これからも、まわりのみなさんと手を取り合いながら、今の自分たちにできることを一つずつ取り組んでいきたいと思います。