pattern_language_fes2026_2

Blog 2026.10.29 「らしさ」の解像度を上げる言葉づくり

先日代表の中原が、組織における「パターン・ランゲージ」の活用についてのイベント「パターン・ランゲージ・フェス2026 〜現場の知恵が、組織を変える〜」に登壇し、UDSの事例についてお話をさせていただきました。


パターン・ランゲージ
いろいろな分野の実践のコツ・知恵を言語化する方法論。
1970年代に建築家クリストファー・アレグザンダーが住民参加のまちづくりのために提唱した知識記述の方法で、以後ソフトウェアデザインの分野、さらに教育や組織の分野にも展開して応用されている。


今回のイベントは、パターン・ランゲージの研究・実践を専門とする慶應義塾大学の井庭崇教授が創業し会長を務めている株式会社クリエイティブシフトが、組織の改題解決におけるパターン・ランゲージの活用を共に考える場として開催したものです。
https://plfes2026.peatix.com/

UDSでは創業者梶原文生の企画のコツをパターン・ランゲージの手法に基づいて32のパターンにまとめた「プロジェクト・デザイン・パターン」の出版をはじめ、複数の取り組みで井庭先生とご一緒させていただいています。

本イベントでは『「らしさ」の解像度を上げる言葉づくりの取り組み』として、後半は井庭先生にも入っていただいてお話をさせていただきました

当日の様子から、一部を抜粋・編集して紹介します。

自分たちが欲しいと思うものをかたちに

井庭:UDSはコーポラティブハウス*に代表されるように、ボトムアップでのまちづくりに取り組まれてきているので価値観が近く、10年以上前から、色々と一緒に取り組みをさせてもらっています。
*入居希望者が組合を結成し、その組合が事業主となって、土地取得から設計、工事発注から管理まで行う集合住宅「コーポラティブハウス」

中原:創業者の梶原と井庭先生の共著の形で2016年に出版した『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』にまとめられている32のパターンを指針にしていくと、チームメンバーのコミュニケーションが良くなり、よいプロジェクトになっていきます。そんな実体験もあったので、2016年と今年に実施したUDSメンバーの行動基準「UDS STYLE」の言葉づくりにもご協力いただきました。

中原:UDSは、自由度が少なかった既存住宅の新しい選択肢として、自分たちが欲しいと思うものを形にした「コーポラティブハウス」の事業から始まった企業です。

今年で前身の創業から34年になりますが、コーポラティブハウス以降も、ひとりひとりが、「やりたいこと」を持ち、その実現に向けて仲間や理解者を集めて挑戦してかたちにしていくことを積み重ねてきました。

UDSメンバーの行動基準であるUDS STYLEもまず一つ目に
エンドユーザー目線 - 実際にユーザーになった気持ちで、「自分も欲しいと思えること」を考える
を掲げています。それぞれのメンバーが「自分が欲しいもの」、「あったらいいな」と思うことを考え、その実現に向けてワクワクしながら進んでいくことがUDSの力の源です。

今回のUDS STYLEのアップデートは、メンバーが年々増えている中で、UDSをかたちづくっている「らしさ」について、改めてみんなで共通認識を持てるように実施したものでした。現在の組織や社会の環境、所属メンバーに合わせて見直したこの新UDS STYLEがあることで、一人一人の「やりたい」ことの実現に向けて、UDSらしい視点で考えを深めていきやすくなると感じています。

2026_uds_style

2016年に策定した内容を見直し、2026年にアップデートを実施したUDSの行動基準「UDS STYLE」

UDSらしい創造的実践のための共通言語

井庭:社内ワークショップやアンケートを通してまとめられたUDS STYLEは、パターン・ランゲージの形式とは少し異なりますが、企画、設計/ 施工、運営それぞれの立場の人が、UDSらしい創造的な仕事をつくっていくための共通言語、です。

具体的すぎず、でも抽象的すぎない、程よい抽象度の言葉にまとめているので、共通言語としてUDS STYLEがあることで、思っていることが通じやすくなったり、「これってどういうことですか」という質問ができたりと、組織によいコミュニケーションが生まれていくと思います。

中原:メンバーひとりひとりが感じている「UDSらしい仕事」の考えをすくい上げて言葉をつくっていった形なので、理解や浸透がしやすいものになったと感じています。実際、「どうすれば実現・解決できるかを粘り強く考え続け、突破口を見つける」という意味をあらわす言葉として、今回新しく設定した、Grit!Grit!(グリグリっと)は、実際打ち合わせの時に「それちゃんとグリグリ考えた?」というような会話が早速生まれています!

今回のイベントの中で井庭先生は

生成AIが前提の時代に人間に求められるのは、既存の事柄の複製や、再生産的な知性ではなく、これまでを踏まえつつ新しさを含むもの。その時に大事なのが、状況に応じて調整したり創意工夫をしたりしながら行っていく「創造的実践」であり、組織においては、その創造的な実践をどう支え、増やしていくかが課題。

良い実践の本質や、経験則を研究し、体系化して言葉にしていくパターン・ランゲージは実践を促す言葉なので、組織の「創造的実践」を支え、増やしていくことができる。

などともお話されていました。

UDSでもUDS STYLEやプロジェクト・デザイン・パターンの言葉を指針に、生き生きとした「創造的実践」を重ねていきたいと思います。

この度は貴重な機会をいただき、また、たくさんの方にご参加いただきましてありがとうございました。