設計部の副島がインストラクターを務める、ハーバード大学認定の建築の大学院生を対象としたワークショップ「Harvard GSD Japan Summer Workshop 2017」の最終講評会が開催されました。
(※GSD=Graduate School of Design)
インストラクターは、ハーバード大学の卒業生で大学教員を務める6名とハーバード大学大学院の教員1名が担当。
ハーバード大学出身で大学非常勤教員を務める、UDS設計部の副島もそのひとりとして日本事務局を担当しています。
ワークショップには、ハーバート大学大学院生5名と、国内の慶応大学、多摩美術大学、東京藝術大学、東北大学、法政大学、明治大学、早稲田大学の大学院生20名が参加。(大学名:五十音順)
今年で4年目となるワークショップでは、東京都心の特定のエリアを対象地として、建築・都市の生態系、文化遺産をつなぐアーバンプロジェクトに取り組みました。
2年目より昭和の風情を残す東京の北東部(谷根千、根岸、上野、本郷、秋葉原、神田、神保町、湯島)を対象エリアとし、昨年の上野周辺地域に続き、今年の対象は「谷根千エリア」。
チームに分かれ、小さなスケールの都市空間のしかけによって、経済活性化、文化財の保存、環境配慮など建築だけにとどまらない都市空間のデザインそのものを考える提案を行いました。
最終講評会では、5つのグループから「谷中エリアの都市デザイン」をテーマに英語で、調査報告と考察に基づく提案がなされました。
ハーバード大学の大学院生が日本に滞在する以前より、国内の学生及びインストラクターは入念に準備を重ね、短期間ながら、いずれのグループも歩行者の属性、歩行量、時間帯やルートなど精度の高い調査を実施。
その調査結果を踏まえて、歴史のある藍染川の自然を活かすため、暮らしの中に"水"を取り入れることで、新たなシーンを取り入れるアプローチや、蛇行した特徴的な道"蛇道"でのパブリックスペースの創造など、各グループからオリジナリティのある提案がなされました。
Airbnbで個人宅の宿泊だけでななく、町中に料理教室やバーなどの使い方ができる、パブリックスペースの創出など、地元の人からも愛される場づくりのアイディアも。
歴史や自然、最新テクノロジーや、地域の人と旅行者の接点など、様々な着眼点からの発表に、インストラクターや出席者からは多くの質問が寄せられ、活発なディスカッションが行われました。
中でも対象地を長年調査研究され、ゲスト講評者として参加いただいた吉見俊哉氏(東京大学教授・2017-2018ハーバード大学客員教授)からは高い評価がありました。
発表後の講評として、副島は「これらの提案は、すぐにまちにおこる変化ではないので、20年後、30年後にまたディスカッションの機会を持ちたい」と笑顔でコメント。
最後には懇親会が開かれ、ワークショップを通じて仲が深まった様子が伝わる賑やかな時間を過ごしました。