「手しごと」と「日本らしさ」をコンセプトにした「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO(以下、nel)」。「HAMACHO HOTEL」に併設するチョコレートショップとして2019年2月にオープンして以来、ボンボンショコラやカカオ金時など、ここでしか味わえない商品をつくりつづけています。シェフショコラティエの村田は、京都 福知山市「洋菓子マウンテン」に勤務後、2014年からはフランスやルクセンブルグのパティスリーに勤務し伝統菓子を学んできました。
11月18日からは、伊勢丹新宿店の催事へ初出店。HAMACHO HOTEL と nel の企画を担当した菓子と、シェフショコラティエ 村田に、nelの「これまで」と「これから」を聞きました。
UDSはこれまでもいろいろな事業に取り組んできましたが、自社で「チョコレートショップ」をやることになると聞いたときはとても驚きました。
菓子:そうですよね。HAMACHO HOTELは、日本橋浜町全体のまちづくりコンセプト「“手しごと“と“緑“の見える街」を体現した施設です。駅から少し離れた立地で、日本橋や人形町よりも認知度がまだまだ低かった「日本橋浜町」。そんな場所でもわざわざ目指して行きたくなる場所にはきっと「おいしいもの」があるはず、という考えからスタートしました。
ホテルとして、国内はもちろん海外からのお客さまにも多く来ていただくことを目指していたので、目線は世界に向けていて。世界中に受け入れられているというベースがあって、かつ「手しごと」や「日本らしさ」を表せるのはチョコレートしかない!という結論に行き着いたんです。
ただ、その時点でもちろんUDSにはショコラティエがいませんでした。「職人としての高い技術を持っている」「UDSらしい文化を理解できる」「でも、それに染まるだけでなく自分らしさを発揮していける」という人物像を設定して、期限ギリギリ、本当に最後の最後に、奇跡的に出会えたのが村田さんだったんです。
村田:ちょうど東京に来て、仕事を探している時期にたまたま見つけたのがUDSの求人でした。ちょっとでもタイミングが違っていたら、いまこうしてお店をやっていることはないと思うと、不思議な気持ちになりますね。
菓子:村田さんがチームにジョインしてからは早かったです。急ピッチで厨房機器を決定して、商品開発を始めて……と怒涛の日々でした。
村田:ご夫婦2人で経営している小さなカカオ農園を訪ねに、ベトナムまで行ったのもこの時期でしたね。
菓子:そこの農園のカカオを味わえるのは、世界でもnelだけなんです。そんなカカオへのこだわりをお客さまに伝えたくて取り組んだのが「オリジナルのカカオ紙」。カカオの殻を細かく砕いて和紙に混ぜたものを、商品のパッケージやカウンターのランプシェードに展開しています。
村田:かたちもカカオポッド(カカオの果実)で、お客さまからもよく聞かれますよ。空間と商品の両方から、カカオへのこだわりや日本らしさを感じていただけるのは、UDSならではだと思いますね。
11月18日からは、伊勢丹新宿店での催事もはじまりますね。
村田:はい。洋菓子マウンテン時代からの顔見知りのバイヤーさんからお声がけいただいたんです。
菓子:百貨店から催事にお声がけいただくことは、企画当時のロードマップにも描いていたnelのひとつの目標でした。nel自慢のボンボンショコラやチョコレートプリン、ケークも出品するのと、今回の催事にあわせて「caca o caca」をリニューアル、また「Cacao Curd」を商品化したんですよね。
村田:そうなんです。もともと「caca o caca」は、ご近所のパン屋さん「ブーランジェリー・ジャンゴ」さんだけで買える「トースト専用ふりかけ」として開発した商品でした。別の商品をつくる際にどうしてもある一定数できるチョコチップにカカオニブなどを加えたものなのですが、1年ほど経って、ありがたいことに固定のお客さまがついてくださるようになって。
「コンビニのチーズケーキにかけたらおいしかった」「カレーやスープに入れている」と、お客さまから「caca o caca」のいろいろな可能性を教わったんです。それを今回の伊勢丹新宿店の催事への参加にあわせて「みんなのカカオふりかけ」というコピーを菓子さんに加えてもらい、誰にでも手に取りやすいようパッケージもリニューアルしました。
対して、「Cacao Curd」はチョコレートラバーに向けた専門店らしい商品。たくさんの人に、nelの味を知っていただくきっかけになればと思います。
日本橋浜町のまちにやってきて、1年8ヶ月。当時目指していたことは実現できていますか?
村田:まだまだ試行錯誤の毎日ですが、日々変化していくまちを見続けられるのはとても楽しいですね。ひとつひとつの商品には、語りだすとキリがないほど細かいこだわりがあますが、「あそこのチョコレート屋さん、なんか美味しいよね」と、まちの人たちから自然に受け入れていただける店にしたい、という想いが開業前から強くありました。
「美味しいお店がまちの魅力や自慢になる」というのは、思い返すと洋菓子マウンテン時代に無意識に感じ取っていたところなのかもしれません。日本橋浜町というこのまちで、これからも長く、まちに寄り添ったチョコレートショップとして大切に運営をしていきたいです。
菓子:企画時に思い描いていた人物像に驚くほどぴったりの村田さんが加わってくれたことが、今につながっています。これからさらに、nelを含む施設一体となって、日本橋浜町のまちの価値を高めていければと思います。
nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO 公式HP:https://nel-tokyo.jp/
nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO 公式インスタグラム:https://www.instagram.com/nelcraftchocolatetokyo/
[INFORMATION-1] 伊勢丹新宿店に初出店
11月18日~11月24日の期間限定で、nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO が伊勢丹新宿店に初出店!記事内でご紹介した「caca o caca」や「Cacao Curd」のほか、nelの定番品「ボンボンショコラ」や「チョコレートプリン」などが並びます。
期間:2020年11月18日(水) ~ 11月24日(火)
場所:伊勢丹新宿店本館 B1トレンドスイーツⅠ
詳細はこちらからご覧いただけます。
[INFORMATION-2] クリスマスの伝統菓子ご予約受付中@伊勢丹オンライン
村田がフランス修業時代に過ごしたアルザス地方のクリスマスの伝統菓子を、nel流にアレンジした新作「ベラベッカショコラ」が、伊勢丹オンラインにてご予約受付中です。干し柿や晩柑、温州みかんといった日本人にとってなじみの素材に、契約農家のカカオ豆から手掛ける自家製のビターチョコレートを全体にコーティングする事でクリスマスを彩る華やかなお菓子に仕上がりました。
ご購入はこちらからどうぞ。