2018年3月16-18日、ホテル カンラ 京都にてKOUGEI NOWを開催、3日間で延べ2300人のお客様にご来場いただきました。
KOUGEI NOWとは、「工芸を“未来志向”のものづくりへ」というキーワードのもと、手しごとを中心としたものづくりの新しい在り方を探っていく、京都府主催のプロジェクト。今回は「旅と工芸」をテーマに、作品やつくり手との「DIALOGUE(= 対話)」 を通して、工芸の未来を考える見本市、展示販売会を開催いたしました。
ホテル全体が展示会場に
「ホテル カンラ 京都」は感じる洛と書いてカンラ。ホテルの中でも京都や日本の良さを感じられるようにと、工芸品ショップや職人常駐の金継ぎ工房を設置しています。今回は、エントランスやレストラン、そして39室の客室が展示会場となりました。
ものづくりの今後、ものと人の新しい関係を語る
3月16日には、ゲストに日野明子さん(スタジオ木瓜代表)、永田宙郷さん(株式会社イクス代表)、聞き手にKOUGEI NOWディレクターの山崎伸吾さんを迎え、トークイベントを開催しました。
「銀座手仕事直売所」をはじめ、各地を飛び回るバイヤーとして活躍中の日野さんと、「ててて見本市」で知られ、ホテル カンラ 京都のショップディレクションも手がけた永田さん。これまでの見本市で二人がこだわり抜いてきたポイントや、作り手同士のコミュニティをつくる秘訣を語ります。そして「産地の人の思い込みをどうやったら解きほぐせる?」「京都らしいと感じるものづくりは何?」など互いに質問を投げかけ合い、リアルなエピソードが会場を惹きつけます。
聞き手の山崎さんは、二人の話を引き出しながら、満員の客席から集めた問いも次々に投げかけます。
必ず職人さんにきく質問は?
この工房で一番いいものを見せてください、と聞きますね。そうすると、謙遜もあるのでしょうが、必ず先代が作ったものが出てくるんです。自分の作品を出してくる職人さんに出会うまで、問い続けたいですね。(永田さん)
使う人への届け方、伝え方で気を使っていることは?
まず自分で使ってみることですね。使ってみて初めて、人に勧めることできると思っています。(日野さん)
僕もまず使ってみるのはありますね。それに加えて、これは直せるものか、直して使い続けられるものかどうかを確認します。(永田さん)
カンラを会場にした今回のKOUGEI NOW、何を期待しますか?
ホテルの客室に入れるというのが、まず嬉しい(日野さん)
扉を外したり、ベッドマットレスを外したり、、設営がすごく大変なので、普通のホテルだったらここまでやってくれないです。作品は『どこで見るか』で、買いたくなったり、試したくなったりが変わってくる。今回、それが「ホテル」という空間になるとどうだろう?とすごく楽しみです(永田さん)
「旅と工芸」をテーマにしたDIALOGUEに2300人が来場
今回の展示には、66組の作家が参加。来場者は、作品の鑑賞だけでなく、作家との対話や直接の購入も楽しめることが特徴です。客室内は、ベッドや棚、浴室に至るまで自由に展示や演出が施されています。訪れた来場者からは「日本のホテルでこんな風景見かけたことがない」「つくり手と会話をすることでそのものの価値が何倍にも感じられる」と多くの声が寄せられました。
今後もホテル カンラ 京都は、工芸とのかかわりをはじめ、日本が育んできた伝統や文化の魅力を感じていただけるホテルを目指します。
関連リンク
KOUGEI NOW : http://kougeinow.com/
ホテル カンラ 京都:https://www.hotelkanra.jp/
開催要項
KOUGEI NOW 2018
Kyoto Crafts Exhibition “DIALOGUE”
会期:2018年 3月17日[土] 11:00~18:00 / 3月18日[日] 11:00~17:00
※3月16日は、招待客・プレスに向けた内覧会。
会場:ホテル カンラ 京都(京都市下京区北町190)
主催:京都府
共催:京都リサーチパーク株式会社 / ホテル カンラ 京都
協力:Design Week Kyoto実行委員会、CEMENT PRODUCE DESIGN、EXS.Inc、
KYOTO CRAFTS MAGAZINE、京都市、「伝統産業の日」実行委員会、D&DEPARTMENT KYOTO by 京都造形芸術大学