ホテル アンテルーム 那覇が2025年5月1日、観光業界における持続可能な運営を推進することを目的とした国際的なサステナブル認証「Green Key」を取得しました。
https://okinawa-uds.co.jp/post-14924/
前編では主担当として取り組みを推進してきた栢野さんに、ホテル アンテルーム 那覇の持続可能な運営に向けた取り組みの背景と内容をききました。後半ではGreen Key取得の道のりについてをききます。
Green Key取得に向けて
- サステナブルなアクションを実現していったその先にGreen Keyが取得できたら、という考えだったということですが、いろいろな認証がある中で、どうしてGreen Keyを選んだのですか？
はい、国内独自の認証性なども含め、たくさんの認証制度がありますが、Green Keyはデンマークに本部を置く環境教育財団(FEE)が運営するもので70カ国以上 6,000以上のホテルが取得をしています。海外からのお客さまはサステナブルな意識の高い方が多いので、そのことを踏まえてGreen Keyを選択しました。
- 取得に向けてはどのように取り組んでいったのでしょう？
グリーンキーはエネルギーや水の使用、廃棄物管理、地域社会との関係、スタッフやゲストへの環境教育などの13 カテゴリー150の評価項目を設けています。
取得するにはまず75の必須項目の認定基準を満たさなくてはいけないので、まずはひとつひとつの基準をしっかり理解していくことからはじめました。基準が書かれた資料をボロボロになるまでとにかく何度も読みました。100回以上は読み込んだと思います。
基準を理解したら、それぞれを達成するための取り組みを行っていくのですが、まずはホテルについてよく知ることから、という感じでした。
- ホテルについてよく知ることから、ですか？
例えば必須項目の一つに、全部の電気のうち75%はLEDに、という項目があります。それをクリアするにはまず館内の電気を全てチェックしなくてはいけません。また客室の水量を毎分9L以内に、という項目に対してはまず蛇口のある場所を洗い出す必要があります。
そうしてまずホテルの実態を確認した後は、基準をクリアするための運用変更、情報収集、資料作成です。これもかなり時間がかかりました。建築設備関連については開業時の設計図面を引っ張り出して確認したり、洗浄剤・環境規制・省エネ技術などについては役所や専門業者の方々に何度も電話をかけ詳細を伺ったりと。たくさんの方に協力いただきました。
- そんなことを75項目分・・・
はい、ものすごく大変でした。でも自分が働いているホテルのことをさらに解像度を高めて知っていくことができましたし、取得するまでの過程で電気や廃棄物などいろいろなことについて知ることができたことはホテルにも自分にもメリットが大きかったです。取り組みを通して洗剤について意識するようになったので、自宅の洗剤を環境負荷が少ないものに切り替えたりしています。
- 通常の運営業務を行いながら一人で進めていくのは大変だったのでは？
仲間のみんなが現場業務をフォローしてくれた事がとても大きかったです。社内外のみなさんの協力と理解で無事5月1日にGreen Keyの取得ができました。
地域のみなさんと一緒に
- おめでとうございます！今のお気持ちは。
とても嬉しいです。無事取得できたらホテルのみんなはもちろん、いろんな人から、声をかけてもらえて、すごく嬉しかったです。Green Keyは年ごとにさらなる項目をクリアしていかなくてはいけないので、これで終わりではなくてこれからが始まり、という気持ちです。
- 今後の抱負などがあればきかせてください
グリーンキーで培った知識や経験を活かし、地域の環境イベントへの参加や地元コミュニティとの連携を強化することで、地域社会全体の環境意識向上にも貢献していきたいです。
同僚に、10年前ネパールから日本にいらして、2020年からホテル アンテルーム 那覇で働いてくれているティワリ・サチンさんがいます。
サチンさんは外国人スタッフを中心にしたその名も「サチン会」を4年ほど前から開催しています。最初は沖縄UDSの外国人スタッフの交流を目指した食事会としてスタートしたのですが、現在では地域やビーチのクリーン活動をする形になっていて、地域の他団体にも自ら声をかけて合同のクリーン活動を開催してくれています。ビーチのゴミは本当に多いので、人数が増えると拾えるゴミも多くなるのでありがたい、と言っていただけています。
小さな取り組みですが、こうした取り組みを通して、地域の人たちと交流しながらサステナブルな取り組みの輪を広げていって、地域に貢献していけいたら嬉しいです
以上、ホテル アンテルーム 那覇のGreen Key取得への道のりについてのインタビューでした。
先日琉球放送 RBC NEWSで本件について取材・放映いただいた内容を以下よりご覧いただけます。よろしければぜひご覧になってください。
