2020年10月28日、ホテル カンラ 京都は開業から10周年を迎えました。これまでカンラに関わってくださったパートナーのみなさま、ゲストのみなさまのお陰でこのような大きな節目を迎えることができました。ありがとうございます。
総支配人を務める近藤は、この10年間、カンラの成長を自ら担い、歴史を見守ってきたひとり。そんな近藤とともに、カンラのこれまでを改めて振り返りました。
UDSの原点「ホテル カンラ 京都」のはじまり
2010年10月、京都駅から徒歩約10分の立地に開業したホテル カンラ 京都。UDSとしてはじめて企画、設計、運営を手掛けたホテルです。
当時築23年の教育施設の入っていたビルをコンバージョンした、全29室のスモールラグジュアリーホテルとしてスタートしました。
もともと教育施設だった建物の構造上、客室のレイアウトにあたっては大きな課題がありました。「各客室に窓を確保すること」と「ホテルとしての事業性を保つための客室数をとること」を同時に満たそうとすると、どうしても間口が狭く奥行きの広い、ホテルとしては珍しい細長い間取りになるのです。そこで私たちはその細長い形状を逆手にとり、京都の町家を思わせるデザインを実現。この特徴的な間取りは「マチヤスタイル」と呼ぶようになり、のちのMUJI HOTEL GINZAをはじめとした多くの施設の客室設計の際にも活かすこととなりました。
僕は当時レストランのアルバイトとして入社しましたが、振り返ると、いまのUDSの原点となるプロジェクトだったと改めて思います。いまは各地、各拠点で活躍しているメンバーが、当時はみんなカンラにいたことを思うと、改めて濃いメンバーが集まっていたんだなぁ、と。(近藤)
実際、いまのUDSのサービスコンセプトの軸となる「フレンドリー&ポライト」という考え方が生まれたのもこの頃。カンラで日々お客さまと接するなかで、「私たちが目指す接客のあり方とは?」を議論しながら生まれたこの考え方は、運営するホテル数が16軒となった現在でも各施設で脈々と受け継がれています。
FRIENDLY & POLITE
マニュアルにとらわれず、大切な友人に接するようにお客様をお迎えします。もちろん、お客様を尊重し、礼儀礼節を重んじた接し方も忘れません。
(UDSのサービスコンセプトより)
また「ホテルの宿泊中、身につけていたアクセサリーを無くさずに置いておける場所があるといい」という女性運営スタッフの声から、オリジナルのアクセサリートレーをつくったというエピソードも。「お客さまの目線で考えること(エンドユーザー視点)」「企画と設計、運営の相互のフィードバック」などは、現在の私たちの考え方や仕事への取り組み方の基礎になっているところでもあります。
2012年頃からは、ミシュランガイドや各種旅行予約サイトでカンラを取り上げていただくことも増え、徐々にお客さまに知っていただくようになりました。
2016年秋、「継承と革新」をコンセプトに増床
2016年10月、開業から6周年を迎えようとするタイミングで、「継承と革新」をコンセプトに増床。新たに39室の客室と、ショップ併設のカフェ「kanra lounge」、鉄板料理レストラン「鉄板料理 花六」、イタリアンダイニング「THE KITCHEN KANRA」、スパ「kanra spa」が加わりました。
増床時、工事中にもホテルやレストランは休まず動いていて、僕自身は日々の運営に必死でした。なので、新しい飲食施設「鉄板料理 花六」の業態やコンセプトも決まったあとで「店長、やってみる?」と持ちかけられたときは、アルバイトで入社した自分にこんな風に声をかけてもらえるなんて、と正直驚きました。なんだか、いかにもUDSらしいですよね。新しいチャレンジができる環境を与えてもらえたのは、本当に嬉しいことでした。(近藤)
増床後もカンラでは、さまざまな取り組みに挑戦。
客室をギャラリーとして開放し、国内外の工芸作家の作品を展示・販売する「DIALOGUE」では、訪れた多くのお客さまに、京都の新たな一面に触れるきっかけをご提供したり。
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そうやって少しずつ地道に取り組んできたところから、多くの方とのつながりが生まれ、2020年の6月、コロナ禍で大変だった時期には、弁当の底力プロジェクトにも参画させていただきました。
自分の大好きな「飲食」という分野で、想いに共感してくれるたくさんの仲間と出会うことができました。カンラという拠点を飛び出して、日本酒づくりを体験させてもらったり、ワインづくりを見学させてもらったり。そうしてできたつながりがきっかけでお仕事をご一緒できることに、感謝しております。(近藤)
10周年と、その先へ
10周年を記念して、2020年9月からは毎月マルシェを開催。京都食べる通信でお世話になった生産者さんや、これまでにつながりのできた方々を中心にお声がけし、ホテルのエントランスで開催する「kanra petit marche」では、近隣の方々を中心に多くのお客さまが訪れてくださっています。
「お互いに苦しい時期だからこそ、これまでに出会ってきたみなさんのお役に立てるようなことをしたい。そしてカンラとして10周年という節目を無事に迎えられたことへの感謝の気持をお伝えしたい。」
そんな思いで、スタッフ同士で意見を出し合いながら、毎月開催しています。
長いようで短い、あっという間の10年。
カンラを愛し支えてくださったパートナーのみなさまと、旅行という特別な時間をカンラで過ごすと決めてくださったゲストのみなさまのおかげで、今のカンラがあります。この10年のあいだに少しでも関わってくださったみなさまへ、改めて感謝を申し上げます。
まだまだ新参ではございますが、より深く地域に根差したホテルとなれるよう、ホテル カンラ 京都チーム一同、精進してまいります。(近藤)
先の見えにくい状況はしばらく続きそうですが、できなくなったことよりも「今できること」を探して、前向きに。11年目のホテル カンラ 京都も、みなさまどうぞよろしくお願いします。
kanra petit marche 2月開催のお知らせ
ホテル カンラ 京都では、10周年を記念して毎月マルシェを開催しています。
2月は20日(土)と21日(日)に開催予定。
詳細や最新情報は、インスタグラムをご確認ください。
ホテル カンラ 京都 公式HP:uds-hotels.com/kanra/kyoto
インスタグラム:instagram.com/hotelkanrakyoto