大家好!誉都思北京の秋山です。
中国では春節が終わり、少しずつ気候も暖かくなってきて、北京にももうすぐ短い春が訪れそうな予感です。さて今回は、「中関村」(中关村・ジョングアンツン)エリアにある「創業大街」(创业大街・チュワンイエダージエ・英語名Z-Inno Way)をご紹介します。ここは誉都思で企画・デザインを担当し、社会に意味のある「まちづくり」を実現した街なんです!
中間村プロジェクトについて: http://www.uds-china.cn/works/innoway.html
北京の電脳街、中関村
北京の中心から北西のエリアに位置する中関村は、東京で例えると秋葉原のようなところです。電気店の集まる市場のような巨大ビルが並んでいて、IT系の企業が多く、「北京のシリコンバレー」とも呼ばれる場所。電気店の市場は、客引きもすごく強引で、お買い物も値切り交渉をしたり、掘り出し物を探したい、また北京のローカル体験をしたいという方は、ぜひ訪れてみる価値アリ。北京大学や清華大学といった大きな大学も近いので、若さのパワーで活気のあるエリアであるといえます。
創業大街
そんな中関村エリアに位置する「創業大街」元々は「図書城」(トゥーシューチェン)と呼ばれていました。図書城は、ショッピングストリートとして歴史があり、その名前の通り、「北京で本を買うならココ!」というほどの本屋街だったそうです。ですが、インターネットの普及、周辺のエリア開発や道路の建設の影響で図書城エリアは縮小し、衰退していきました。2013年頃、政府の方針もあってもう一度このエリアを開発しようという話が持ち上がり、約2年で「創業大街」として生まれ変わりました。
この創業大街、全長約200メートルの一本の街なのですが、「科学技術創業の発祥地」と呼ばれ、投資家・起業家向けの喫茶店、イベント会場、オフィス、創業支援事務所などが並んでいます。コーヒー1杯頼めば、1日中席を確保してWi-Fiを使って仕事ができたり、様々なプレゼン会・勉強会・検討会が毎日行われていてまさに起業家にとっては天国のような場所。ここで平均1日で1.6社の企業が生まれ、1日1社が融資を獲得し、平均500万人民元(約8,500万円)の融資額になると言われているんです!
3W珈琲
この創業大街で最も有名なカフェの1つ、「3W珈琲」
国務院総理である李克強氏が視察に来たことでも有名になりました。人気メニューはその名も「総理珈琲」(笑)。
皆パソコンを開けて熱心に話をしていて、他のカフェとは違う雰囲気。インターネットも安定していて、普通のインターネットカフェより良い!という口コミもあります。
カフェなのに、本格的なイベントスペースがあるのが特徴。この日は“女性とAIを語る会”を開催していました。
車庫珈琲
こちらは、3Wコーヒーと同様に有名なお店、「車庫珈琲」
こちらも朝から満席状態で、皆パソコンを開いて熱気に溢れています。若い方から年配の方まで、年齢層が幅広いのは驚きです。
「新興産業孵化器」と書かれている札が入り口に貼られています。まさに、新しい産業を「孵化」させるための場所。
入り口には、「ビジネスパートナー募集!」などと書かれた紙が壁いっぱいに貼られています。
街に入れば、リアルタイムな情報がそこには溢れていて、毎日のように開催されているイベントに顔を出せば、新しいビジネスを始めるきっかけになるかもしれません。声をかければ、その人が自分のアイデアに共感して投資してくれるかもしれない。カフェに入れば、すぐ向かいに明日からのビジネスパートナーが座っているかもしれない。それがこの「創業大街」なんです!
創業大街と誉都思
誉都思では、創業大街のまちづくりの企画に参加し、サインや植材などを含む景観デザインを担当しました。
そして、こちらは「創業会客庁」という建物です。いわゆる、創業支援の事務局です。こちらも、誉都思がデザイン等で関わっている建物です。
中に入ると、いくつか窓口が円を描くように並んでいます。
この窓口を1つずつ廻って手続きをしていくと、なんと、1つの会社が立ち上げられるという仕組みなんです。李克強総理も、ここを視察しています。他にも、この街には至る所で誉都思がデザインした仕組みや景観、サインなどが見られます。街に人が集まる仕組みを作り、社会的に意義のあるものを生み出したい!という誉都思の考え方に基づいたプロジェクトと言えます。
最後に
いかがでしたか?日本には無い、「起業ストリート」を紹介しましたが、中国の若くて新しいパワーを感じていただけましたでしょうか。誉都思では、このストリート内でさらに食堂や本屋カフェなどを手がけることになっており、まさにこのプロジェクトを進行させている真っ最中です。
次回の誉都思だよりでは、プロジェクトをさらに掘り下げてご紹介いたします!